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女性の睡眠時無呼吸症候群、特有の症状は?
女性の睡眠時無呼吸症候群は、男性とは異なる症状の現れ方をすることがあり、そのため見逃されたり、他の病気と間違われたりすることもあります。まず、男性の睡眠時無呼吸症候群の典型的な症状である「大きないびき」や「呼吸停止の指摘」が、女性の場合はそれほど目立たないことがあります。もちろん、いびきをかく女性もいますが、男性ほど豪快ないびきではなく、比較的静かないびきであったり、呼吸が浅くなる「低呼吸」が主体であったりするケースが少なくありません。そのため、本人も周囲も睡眠時無呼吸症候群であることに気づきにくいことがあります。女性に比較的多く見られる症状としては、「日中の疲労感や倦怠感」が挙げられます。はっきりとした眠気というよりは、慢性的なだるさや疲れやすさとして現れることが多く、「年のせいかな」「更年期障害かしら」などと自己判断してしまいがちです。また、「不眠」を訴える女性も多いのが特徴です。寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)、早朝に目が覚めてしまうといった、いわゆる不眠症の症状が現れることがあります。これは、睡眠中の無呼吸や低呼吸によって睡眠が妨げられることが原因ですが、本人は無呼吸に気づかず、単に眠れない悩みとして捉えている場合があります。さらに、「頭痛」、特に朝起きた時の頭痛も、女性の睡眠時無呼吸症候群によく見られる症状です。片頭痛や緊張型頭痛と診断されて治療を受けているものの、なかなか改善しないというケースの背景に、睡眠時無呼吸症候群が隠れていることもあります。精神的な症状として、「気分の落ち込み」「不安感」「イライラしやすさ」といった、うつ症状や不安症状に似た状態が現れることもあります。これらの症状も、更年期障害やストレスなど他の原因と混同されやすい点です。その他、「集中力の低下」「物忘れ」「夜間の頻尿」「寝汗」といった症状も現れることがあります。女性の睡眠時無呼吸症候群は、典型的な症状がマスクされやすいため、診断が遅れる傾向にあります。もし、原因不明の慢性的な疲労感や不眠、頭痛、気分の落ち込みなどが続く場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性も視野に入れ、呼吸器内科や睡眠専門医に相談してみることをお勧めします。特に、閉経期以降の方や、肥満傾向のある方、顎が小さい方は注意が必要です。