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2025年6月
  • マイコプラズマ血液検査の結果、陽性の意味

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    マイコプラズマ感染症が疑われて血液検査を受け、その結果が「陽性」と出た場合、それは何を意味するのでしょうか。血液検査では主にマイコプラズマに対する抗体の有無や量を調べますが、その結果の解釈にはいくつかのポイントがあります。まず、どの種類の抗体が陽性であったかが重要です。感染初期に上昇するIgM抗体が陽性であった場合、最近マイコプラズマに感染した可能性が高いと考えられます。しかし、IgM抗体は過去の感染後も数ヶ月程度陽性が続くことがあるため、必ずしも現在の症状の原因がマイコプラズマであるとは限りません。また、他の微生物との交差反応によって偽陽性となることも稀にあります。一方、感染から少し遅れて上昇し、長期間持続するIgG抗体が陽性であった場合は、過去にマイコプラズマに感染したことがある、ということを示しています。IgG抗体だけが陽性で、IgM抗体が陰性であれば、現在の症状はマイコプラズマによるものではない可能性が高いと考えられます。ただし、非常に初期の感染ではIgG抗体もまだ上昇していないことがあります。最も確実性が高いとされるのは、ペア血清(急性期と回復期の二回の採血)で抗体価の上昇が確認された場合です。急性期に比べて回復期のIgG抗体価または総抗体価が四倍以上に上昇していれば、最近のマイコプラズマ感染であると強く診断されます。単回の血液検査でIgM抗体が陽性、あるいはIgG抗体価が非常に高い場合も、臨床症状と合わせてマイコプラズマ感染が強く疑われる根拠となります。医師は、これらの血液検査の結果に加えて、患者さんの症状(長引く咳、発熱など)、聴診所見、胸部X線検査の結果、周囲でのマイコプラズマの流行状況などを総合的に判断して最終的な診断を下します。したがって、「陽性」という結果が出たとしても、それが直ちに現在の病気の原因を特定するものではない場合があることを理解しておく必要があります。検査結果については、必ず医師から詳しい説明を受け、その意味するところを正しく把握し、適切な治療や対応につなげることが大切です。自己判断せずに、医師の指示に従いましょう。