内科医として日々多くの患者さんを診察している中で、右側の背中の痛みを訴えて来院される方は非常に多いですが、その背景には実に多様な疾患が隠れています。患者さんは何科を受診すべきか非常に迷われますが、内科は全身を鳥瞰的に診ることができるため、原因不明の痛みにおける最初のゲートキーパーとして最適です。右側の背中の痛みが内臓由来である場合、私たちがまず注目するのは肝胆道系です。肝臓は右上腹部に位置し、その炎症や腫瘍が背中側へと痛みを波及させることがあります。また、胆嚢は油分を分解する胆汁を蓄える場所ですが、ここに石ができる胆石症は、食事の刺激によって右背中へ突き抜けるような強い痛みを生じさせます。診察では、単に痛みを聞くだけでなく、白目の色が黄色くなっていないかという黄疸のチェックや、便の色、腹部の張りを丁寧に観察します。血液検査では、ASTやALT、ガンマGTPといった数値を測定し、肝細胞のダメージや胆汁の流れの悪さを数値化します。さらに、最近増えているのが十二指腸潰瘍による背部痛です。十二指腸は胃の出口に続く腸の一部ですが、右側に位置しているため、そこに潰瘍ができると背中側に痛みが響くことがあります。内科での診断プロセスは、まず問診で痛みのタイミングを確認し、次に血液や画像で客観的な証拠を集めるという順序で行われます。もし痛みの原因が肺、例えば右側の肺炎や胸膜炎、肺がんなどであれば、内科の中でも呼吸器を専門とする医師が対応することになります。右背中の痛みは何科か、という問いに対して、安易に自己判断でマッサージや整体に行くことは、こうした内臓の重大な病気の発見を遅らせるリスクがあります。内科では、全身の状態を評価した上で、もし骨の問題であれば整形外科へ、皮膚の問題であれば皮膚科へと、適切な専門科へ繋ぐ役割も担っています。1ヶ月以上続く微熱や食欲不振を伴う痛み、あるいは急激に悪化する痛みは、体が発している赤信号です。まずは内科を受診し、科学的な検査を通じて痛みの正体を突き止めることが、あなた自身の命と健康を守るための最も合理的で賢明な選択となります。
専門医が解説する右背中の痛みと内科の重要性