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身近な人が過呼吸になった時の病院への付き添い方
家族や友人が目の前で過呼吸を起こした時、周囲の人間は激しいパニックに陥ってしまいがちですが、あなたの冷静な対応が、その人を救い、病院へ繋ぐための架け橋となります。まず知っておいてほしいのは、過呼吸そのもので命を落とすことは基本的にはありませんが、本人にとっては「このまま死ぬ」という確信に近い恐怖があるということです。その恐怖を否定せず、まずは寄り添うことが第一歩です。具体的には、「大丈夫だよ、ここにいるからね」と落ち着いた声で短く伝え、可能であれば手を握るなどして安心感を与えてください。次に、無理に呼吸を止めさせるのではなく、あなたが手本となって、ゆっくりと大きく吐く動作を見せてあげてください。この時、紙袋などを口に当てる必要はありません。むしろ、顔を隠されることで窒息感が増し、逆効果になることも多いからです。病院へ連れて行くべきか迷う場合は、症状が15分以上続いている、意識が朦朧としている、あるいは今回が初めての発作である、といった状況を一つの目安にしてください。救急車を呼ぶことに躊躇する必要はありません。病院へ付き添う際、あなたは「情報提供者」としての役割を担います。いつから始まったのか、きっかけとなる出来事はあったか、過去にも同じようなことがあったか、現在治療中の病気や飲んでいる薬はあるか、といった情報を医師に伝えることで、診察が非常にスムーズになります。また、診察室では本人がうまく言葉を発せられないことが多いため、あなたが代わりに状況を説明してあげることが大きな助けとなります。病院で検査を終え、特に異常がないと診断された後も、あなたの役割は続きます。本人は「大袈裟にして申し訳ない」という罪悪感を感じていることが多いですが、それを払拭してあげることが心の回復に繋がります。「病院で診てもらって安心したね」「今日はゆっくり休もう」と、ポジティブな言葉をかけてあげてください。過呼吸の治療は、本人の努力だけでなく、周囲の正しい理解とサポートがあって初めて完成します。病院という専門的な場を活用しながら、大切な人の心と体を一緒に守っていく姿勢が、再発防止に向けた何よりの良薬となるのです。