あの夜の出来事は、私の人生の中で最も恐ろしい体験の一つとして刻まれています。時刻は午前2時を回った頃でした。寝苦しさで目が覚め、ふと将来のことや仕事の不安が頭をよぎった瞬間、急に胸が締め付けられるような感覚に襲われました。呼吸をしようとしても空気が入ってこない感覚があり、焦れば焦るほど呼吸は浅く速くなっていきました。次第に指先が痺れ始め、自分の手が硬直していくのが分かりました。死の恐怖に支配され、私は震える手で家族を呼び、そのまま救急車を要請しました。救急車の中で隊員の方から「大丈夫ですよ、ゆっくり吐きましょう」と声をかけられましたが、その時はとても正気ではいられませんでした。救急病院に到着すると、すぐに処置室へ運ばれ、モニターを装着されました。医師は私の様子を見て「過呼吸ですね」と静かに告げましたが、私は自分の心臓が止まってしまうのではないかと必死に訴え続けました。血液検査の結果、血液がアルカリ性に傾いていることが判明し、やはり過換気症候群であるとの診断が下されました。点滴を受け、静かな部屋で横になっているうちに、1時間ほどかけてようやく呼吸が落ち着いてきました。医師からは、今回は大きな病気ではないけれど、体がひどく疲れている証拠だと言われ、翌日に改めて心療内科を受診するよう勧められました。病院の白い天井を見上げながら、私は自分がどれだけ無理を重ねていたのかを初めて実感しました。翌日、紹介された心療内科へ向かう道中も、また発作が起きたらどうしようという予期不安で足が震えましたが、受診して良かったと今は心から思っています。心療内科の先生は、私の生活環境やストレスの原因を丁寧に聞き取ってくれ、過呼吸は心が発する緊急停止ボタンのようなものだと教えてくれました。それ以来、私は呼吸法を学び、頓服薬をカバンに忍ばせることで、少しずつ自信を取り戻していきました。あの夜、救急病院へ駆け込んだことは、自分の弱さと向き合い、生き方を見直すための大切な転換点となりました。過呼吸は、独りで戦うにはあまりにも過酷な症状です。もし同じような経験をして不安でたまらない夜を過ごしている人がいるなら、どうか遠慮せずに病院の助けを借りてほしいと思います。専門家に見守られているという安心感だけで、呼吸はずっと楽になるはずです。
夜中に突然過呼吸で救急病院へ運ばれた私の体験記