睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、眠っている間に呼吸が止まったり、浅くなったりすることを繰り返す病気です。この状態が続くと、体に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。では、睡眠時無呼吸症候群にはどのような典型的な症状が現れるのでしょうか。まず、最も代表的で、周囲の人から指摘されやすい症状が「いびき」です。特に、大きないびきをかいていたかと思うと、急に静かになり、その後、あえぐような大きな呼吸とともに再びいびきが始まる、といったパターンは睡眠時無呼吸症候群の典型的な兆候です。ただし、いびきをかく人すべてが睡眠時無呼吸症候群というわけではありませんし、逆にいびきをかかないタイプの無呼吸もあります。次に、睡眠中に呼吸が止まっていることを指摘されることがあります。これは、寝室を共にする家族やパートナーが気づくことが多い症状です。呼吸が止まっている時間は数秒から数十秒、時には一分以上に及ぶこともあります。呼吸が止まると、体内の酸素濃度が低下し、脳や身体に負担がかかります。また、夜間に何度も目が覚める(中途覚醒)という症状もよく見られます。呼吸が苦しくて無意識のうちに目が覚めてしまうのです。本人は目が覚めたことを覚えていない場合もありますが、熟睡感が得られず、睡眠の質が低下します。その結果として現れるのが、日中の強い眠気や倦怠感です。夜間に十分な質の高い睡眠が取れていないため、日中に会議中や運転中など、本来起きていなければならない場面で強い眠気に襲われたり、集中力が低下したりします。これが仕事の効率低下や、重大な事故につながる危険性も指摘されています。さらに、起床時の頭痛や口の渇きも、睡眠時無呼吸症候群によく見られる症状です。夜間に口呼吸になっていることや、無呼吸による低酸素状態が頭痛を引き起こすと考えられています。その他にも、夜間の頻尿、寝汗、集中力や記憶力の低下、抑うつ気分、性欲減退といった症状が現れることもあります。これらの症状が複数当てはまる場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性を考え、専門医に相談することが重要です。放置すると、高血圧、糖尿病、心疾患、脳卒中といった生活習慣病のリスクを高めることも知られています。