赤ちゃんの蕁麻疹が、運悪く夜間や休日に出てしまった場合、親御さんは「すぐに病院へ行くべきか」「朝まで待っても大丈夫か」と、とても悩むことでしょう。休日や夜間の受診は、平日の昼間とは勝手が違うため、判断に迷うのも無理はありません。まず、赤ちゃんの全身状態を冷静に観察することが大切です。蕁麻疹が出ていても、赤ちゃんの機嫌が良く、呼吸も落ち着いており、他に気になる症状(嘔吐、下痢、ぐったりしているなど)がなければ、緊急性は低いと考えられます。この場合は、自宅で様子を見ながら、翌日以降にかかりつけの小児科を受診するのでも良いでしょう。ただし、痒みが強くて赤ちゃんが眠れない、掻きむしってしまいそう、といった場合は、夜間であっても症状を和らげるための薬を求めて受診を検討する価値はあります。地域の夜間休日診療所や、小児救急電話相談(#8000など)に連絡し、指示を仰ぐのが良いでしょう。一方、以下のような場合は、夜間や休日であっても、直ちに医療機関を受診する必要があります。これらはアナフィラキシーという重篤なアレルギー反応の兆候である可能性があるため、時間との勝負になります。一つ目は、呼吸の異常です。息がゼーゼー、ヒューヒューしている、肩で息をしている、顔色が青白い、唇が紫色っぽい、声がかすれている、咳が止まらない、といった症状です。二つ目は、意識状態の異常です。ぐったりしていて呼びかけに反応が鈍い、意識がもうろうとしている、といった場合です。三つ目は、消化器症状です。繰り返し嘔吐する、激しい腹痛で泣き叫ぶ、といった場合です。四つ目は、全身の急激な変化です。まぶたや唇がパンパンに腫れあがる、全身が真っ赤になる、といった場合です。これらの症状が見られたら、迷わず救急車を呼ぶか、最寄りの救急病院を受診してください。夜間や休日に受診する際には、必ず保険証と母子健康手帳を持参しましょう。また、いつから蕁麻疹が出ているか、直前に食べたもの、飲んだ薬、他に変わったことがなかったかなどをメモしておくと、医師に状況を伝えやすくなります。赤ちゃんの急な体調変化は親御さんを不安にさせますが、冷静に状況を把握し、必要な時にはためらわずに医療機関の助けを求めることが大切です。