まさか自分がこの歳になって手足口病にかかるとは、夢にも思っていませんでした。数年前の夏、当時保育園に通っていた息子が手足口病と診断されました。子供の病気だからと高を括っていた私ですが、その数日後、体調に異変を感じ始めたのです。最初は微熱と喉の軽い痛み、そして全身の倦怠感。風邪かな、と思っていたのですが、翌日には手のひらと足の裏に赤いポツポツとした発疹が現れ始めました。そして何よりつらかったのが、口の中にできた無数の口内炎です。これが激痛で、食事はもちろん、水を飲むことさえ苦痛でした。熱も三十八度台後半まで上がり、体中の節々が痛むような感覚もありました。息子の症状よりも明らかに重く、これはただ事ではないと直感しました。インターネットで「大人 手足口病 症状」と検索すると、子供よりも症状が重くなることが多いという情報がたくさん出てきて、まさに自分の状態と一致していました。これは病院へ行かなければと思い、まず何科を受診すべきか考えました。発熱や喉の痛みといった全身症状が強かったことと、普段から風邪などでかかっていた近所の内科クリニックが思い浮かび、そこに電話で症状を伝えて予約を取りました。クリニックでは、医師に症状の経過や、子供が数日前に手足口病と診断されたことを伝えました。手のひらや足の裏の発疹、そして口の中の状態を診てもらった結果、「典型的な大人の手足口病ですね」と診断されました。やはり息子のものとは勢いが違うと、先生も驚いていました。治療としては、特効薬はないため対症療法になるとの説明を受け、解熱鎮痛剤、口内炎の痛みを和らげるためのうがい薬と塗り薬、そして手足の発疹のかゆみ止めの塗り薬が処方されました。先生からは、「とにかく安静にして、水分をしっかり摂ること。口の中が痛くて食事が摂りにくいだろうから、刺激の少ない、喉越しの良いものを工夫して食べてください」とアドバイスを受けました。その後、数日間は高熱と口内炎の激痛に苦しみましたが、処方された薬を使い、ひたすら安静に過ごした結果、一週間ほどで徐々に症状は軽快していきました。完全に回復するまでには二週間近くかかったと思います。あの時のつらさは今でも忘れられません。もし大人が手足口病の疑いがある場合は、我慢せずに早めに内科か皮膚科を受診し、適切なアドバイスと治療を受けることを強くお勧めします。
私の大人の手足口病体験と受診した科