突然の発熱と激しい関節痛、数日後には腕や足に網目状の赤い発疹。これらの症状から「もしかしたら大人のりんご病かもしれない」と疑った時、どの診療科を受診すれば最もスムーズに診断と治療を受けられるのでしょうか。大人のりんご病は症状が非常に多岐にわたるため、最初に訪れるべき診療科に迷ってしまうことがあります。まず最も一般的な相談窓口となるのが「内科」や「総合内科」です。発熱や頭痛、倦怠感といった全身症状から始まることが多いため、まずは体全体を総合的に診てくれる内科医に相談するのが自然な流れでしょう。特に普段から通っているかかりつけの内科医がいる場合は、これまでの健康状態を把握してくれているためより安心して相談することができます。内科では問診と診察からりんご病を疑った場合、診断を確定させるための血液検査を行うことができます。次に発疹やかゆみといった皮膚症状が特に強い場合は「皮膚科」も選択肢となります。皮膚科医は発疹の専門家です。りんご病に特徴的なレース状の紅斑を視診で確認し、他の発疹性の病気との鑑別診断を行ってくれます。そして大人のりんご病で最もつらい症状である関節痛が前面に出ている場合は「リウマチ・膠原病内科」が非常に重要な役割を果たします。大人のりんご病の関節炎はその症状が関節リウマチと酷似しているため、関節リウマチの可能性をきちんと否定してもらうことが非常に重要だからです。リウマチ専門医は関節の診察と専門的な血液検査を通じて正確な鑑別診断を行ってくれます。もし最初に内科や皮膚科を受診しそこで関節リウマチとの鑑別が必要と判断された場合には、リウマチ科へ紹介されるという流れになります。どの科を受診するにしても大切なのは「子どもの間でりんご病が流行している」「最近りんご病の子どもと接触した」といった周囲の流行状況に関する情報を、医師に正確に伝えることです。