まぶたが腫れて痛む麦粒腫になった際、すぐに病院へ行けない場合や、症状が軽い場合に、市販薬で対処しようと考える方もいらっしゃるかもしれません。市販の目薬の中にも、「ものもらい・結膜炎用」として抗菌成分が含まれているものがあります。これらは、初期の軽い麦粒腫であれば、症状の緩和に役立つ可能性があります。しかし、市販薬と病院で処方される薬には、いくつかの違いがあることを理解しておく必要があります。まず、最も大きな違いは、含まれている抗菌成分の種類や濃度、そして効果の強さです。病院で処方される抗菌点眼薬や眼軟膏は、医師が患者さんの症状や原因菌の種類を考慮して選択するため、より効果の高い薬剤が使用されることが一般的です。市販薬は、安全性を重視して、広範囲の細菌に効果があるものの、効果は比較的マイルドな成分が用いられる傾向にあります。また、市販薬には、抗菌成分に加えて、炎症を抑える成分(抗炎症成分)やかゆみを抑える成分(抗ヒスタミン成分)などが配合されているものもあります。これにより、複数の症状に対応しようとしていますが、逆に特定の症状には効果が不十分であったり、不要な成分が含まれていたりすることもあります。一方、病院では、医師が診断に基づいて、抗菌薬単独、あるいは必要に応じて抗炎症薬などを別途処方するなど、より的確な薬剤選択を行います。さらに、麦粒腫の症状が強い場合や、内麦粒腫のようにまぶたの深い部分に炎症がある場合には、点眼薬や眼軟膏だけでは効果が不十分で、抗菌薬の内服薬が必要になることがあります。内服薬は市販されておらず、医師の処方がなければ入手できません。また、膿が多量に溜まっている場合には、切開排膿という外科的処置が必要になることもありますが、これも当然ながら医師でなければ行えません。市販薬を使用する際の注意点としては、まず薬剤師に相談し、自分の症状に適しているかを確認することが大切です。そして、数日間使用しても症状が改善しない、あるいは悪化するようであれば、自己判断を続けずに速やかに眼科を受診する必要があります。麦粒腫と似た症状でも、実は異なる病気(例えば霰粒腫やアレルギー性結膜炎など)である可能性もあり、その場合は市販の抗菌目薬では効果がありません。正確な診断と適切な治療のためには、やはり眼科医の診察を受けることが最も確実で安全な方法と言えるでしょう。
麦粒腫の市販薬と病院処方薬の違い