りんご病と聞くと多くの人が「子どもの頬がリンゴのように赤くなる病気」というイメージを抱くでしょう。正式名称を「伝染性紅斑」と言い、その名の通り主に幼児や学童期の子どもたちの間で流行するウイルス性の感染症です。しかし「りんご病は子どもの病気」という認識は、実は大きな誤解を含んでいます。この病気の原因であるパルボウイルスB19は、年齢を問わず免疫がなければ誰でも感染する可能性があるのです。そして大人がこのりんご病に初めて感染した場合、その症状は子どもとは全く異なる非常に重く、つらい経過を辿ることが少なくありません。大人がりんご病にかかった場合、子どものような典型的な「リンゴの頬」の症状は現れないことがほとんどです。その代わり初期症状として現れるのは、インフルエンザとよく似た発熱や悪寒、頭痛、そして体中の関節が軋むような激しい「関節痛」です。特にこの関節痛は大人のりんご病の最大の特徴であり、患者を最も苦しめる症状となります。手首、指の関節、膝、足首といった末梢の小さな関節に朝のこわばりを伴う強い痛みや腫れが生じ、ひどい場合は物を持ったり歩いたりすることすら困難になることがあります。この症状は関節リウマチと非常によく似ているため、最初膠原病を疑われて専門の医療機関を受診するケースも少なくありません。これらの初期症状が数日間続いた後、ようやく体に発疹が現れます。発疹は腕や太ももを中心に、レース編みのような網目状の赤い模様として広がるのが特徴です。この発疹はかゆみを伴うこともあり、一度消えても日光に当たったり入浴で体が温まったりすると、再び現れるという厄介な性質を持っています。りんご病は決して子どもだけの軽い病気ではないのです。大人がかかると日常生活に深刻な支障をきたすつらい病気へと、その姿を変えるという事実を私たちは知っておく必要があります。
大人がかかるりんご病その実態とは