低血糖の症状が現れた際、まずは迅速な応急処置が求められます。適切な応急処置を行うことで、症状の悪化を防ぎ、重篤な状態への進行を避けることができます。しかし、応急処置を行った後も、特定の状況下では医療機関の受診が必要となります。ここでは、低血糖時の応急処置の方法と、その後の病院受診が必要となるケースについて解説します。低血糖の応急処置の基本は、吸収の早い糖質を摂取することです。具体的には、ブドウ糖タブレット(5~10g)、角砂糖(2~3個)、飴(数個)、または砂糖を溶かした水やジュース(150~200ml)などを摂取します。これらの糖質は消化吸収が速く、速やかに血糖値を上昇させる効果があります。摂取後、15分ほど安静にして、症状が改善するかどうかを確認してください。症状が改善しない場合は、再度同じ量の糖質を摂取し、さらに15分待ちます。このサイクルを2~3回繰り返しても症状が改善しない場合は、医療機関の受診を検討する必要があります。症状が改善した後は、血糖値の再低下を防ぐために、ご飯やパン、麺類などの複合炭水化物を含む軽食を摂ることをお勧めします。例えば、おにぎりやサンドイッチなどが適しています。ただし、脂質が多い食品は血糖値の上昇を遅らせるため、応急処置には向きません。では、応急処置を行った後も病院受診が必要となるケースはどのような場合でしょうか。まず第一に、応急処置を複数回繰り返しても低血糖の症状が改善しない場合です。これは、通常の糖質摂取では回復しにくい状態であり、点滴によるブドウ糖投与など、医療機関での処置が必要となる可能性があります。次に、低血糖の症状が一度改善したものの、数時間後に再び低血糖の症状が現れる場合です。これは、インスリンの効果が持続している、あるいは何らかの要因で血糖値の維持が不安定になっている可能性があり、治療計画の見直しが必要となる場合があります。
低血糖時の応急処置と、その後病院受診が必要となるケース