冬場にはノロウイルスやロタウイルス、夏場にはカンピロバクターやサルモネラといった細菌による感染性胃腸炎が猛威を振るいます。こうした流行期に自分やお子さんがお腹を壊したとき、果たして何科へ行くべきか、あるいは病院へ行くべき段階なのかを判断するのは難しいものです。一般的な目安として、1日に5回以上の激しい下痢がある場合や、38度5分を超える高熱を伴う場合、そして腹痛が一定の場所に固定されて強まっている場合は、迷わず医療機関を受診してください。受診先は、大人の場合は内科、子供の場合は小児科が基本となります。特に乳幼児や高齢者は、大人に比べて脱水症状への進行が驚くほど速いため、様子を見すぎないことが肝要です。受診の際には、周囲での流行状況を伝えると診断が早まります。例えば、職場でノロウイルスが出た、学校で胃腸炎が流行っているといった情報は、医師が特定のウイルスを疑うための重要なエビデンスになります。また、病院へ行く前に必ずチェックしてほしいのが「脱水のサイン」です。口の中がカラカラに乾いている、涙が出ない、皮膚に張りがなくなっている、そして何より尿の色が濃くなり、回数が極端に減っているときは非常に危険な状態です。この場合は、たとえ夜間であっても救急外来を受診してください。診療科選びに迷っているうちに症状が悪化しては元も子もありません。また、受診の際は、吐瀉物や便が付着したものをビニール袋に入れて持参すると、検査に役立つことがありますが、感染源となるため取り扱いには細心の注意が必要です。最近は簡易検査キットを導入している内科も多く、15分から20分程度で原因ウイルスを特定できる場合もあります。胃腸炎の治療は、特効薬というよりも「失われた水分と電解質をどう補うか」という管理が主体となります。病院では、自宅での適切な水分補給のやり方や、食事を再開するタイミングについても専門的な指導を受けられます。流行期だからこそ、冷静に自分の体の声を聞き、適切なタイミングで内科や小児科の門を叩くことが、家族全員の健康を守ることに繋がります。